インプラント学会の認定医・指導医

現在日本にある代表的と思われる各インプラント学会の認定医・指導医の申請資格についてまとめました。
認定医・指導医になるためには申請資格というものが必要です。以下は各インプラント学会の認定制度の規定からの抜粋になりますが、この他にも全ての学会において指定の研修カリキュラムや講演会を受講することや論文の執筆、症例発表等、申請資格は実に多岐にわたります。このページではあくまでも患者目線から見た時の歯科医に対する知識や技術の有無を簡単に見極めるためのものですので、細かい内容や各学会独自の縛りなどに関しては省略しています。一言でインプラントの症例といっても、各学会によってはその内容まで細かく条件付けされている場合もありますので、症例数が少ないからといって経験が少ないとは判断できません。それは、難易度の高い症例を指定されている場合があるからです。各インプラント学会の認定医・指導医にどのくらいの力量があるのか、ざっくりとではありますが参考になるかと思います。

【日本口腔インプラント学会】
会員数は12,600人 歯科系の学会では最大の会員数
口腔インプラント治療指針やインプラントチェックリストの作成、インプラントカード(自分に使われているインプラントの種類やサイズが記載されたカード。転居の際などに役立つ)の普及
専門医の申請資格
専門医教育講座の受講・学会及び研修会への出席・口腔インプラントに関する業績・症例報告・多数歯欠損を含む経験が20症例以上あり3年以上経過していること
指導医の申請資格
専門医以上の経験と実績の積み重ねが必要
100症例の経験から3年以上経過していること・全顎的にわたる補綴症例15例以上・骨増正5例以上
いずれも資格を得た後の試験に合格することで認定される仕組み
※口腔インプラント指導医になると口腔インプラント専門医及び研修施設に所属する歯科医師の指導ができる

【日本顎顔面インプラント学会】
会員数1,346名 日本歯科医学会の認定分科会
専門医の申請資格
5年以上のインプラントに関する診療に従事していること
研修実績・診療実績(インプラントに関連した骨造成手術を5症例以上含むインプラント埋入手術30例以上の執刀)・論文業績
筆記試験に合格
指導医の申請資格
10年以上のインプラントに関する診療に従事していること
専門医取得後3年以上インプラントに関する診療に従事していること
診療実績(インプラントに関連した骨造成手術を20症例以上含むインプラント埋入手術100例以上の執刀指導)・論文業績
主に申請書類で認定

【国際口腔インプラント学会(ISOI)】
ヨーロッパ最大最古のインプラント学会「DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)」の日本支部を併設していることと開業医主導の学会であることが特徴。
Master program:Oral Implantology Specialistの資格保持者でISOIの推薦を受けた者 日本ではまだいない
Oral Implantology Specialist:Expert Implantology取得者でインプラント400症例以上 全国に23人
Expert Implantology:Authority of Implantology資格取得者でインプラント100症例以上 全国に27人
Authority of Implantology(DGZI Japan 指導医):Clinicaloral implantlogyの資格取得者でインプラント50症例
Clinicaloral implantlogy(DGZI Japan 認定医):インプラント20症例
国際口腔インプラント学会(ISOI)では、DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)日本支部も兼ねているからか5段階の認定という層の厚さがある。

【ICOI】
1972年設立 アメリカニュージャージー州に本部 世界最大規模のインプラント学術団体
ICOI FELLOWSHIP(ICOIの国際認定医):インプラント20症例
ICOI MASTERSHIP(ICOIの補綴学会部門のインプラント補綴専門資格):ICOI FELLOWSHIP取得者でインプラント40症例以上
ICOI DIPLOMATE(ICOI国際インプラント指導医):FELLOWSHIPかMASTERSHIPの取得者でインプラント60症例以上

【日本先進インプラント医療学会】
専門医:研修カリキュラムを受講後、AQBインプラントの治療経験があること
指導医:10症例から2年以上
書類提出後に試験